TOKYO >>> HOUSTON 28 / MAY / 2004 *FRI*



成田は、四国からは遠すぎる
朝8時前、普段の通勤より早く家を出て松山発3便に乗り、羽田から京急線で移動してみたら、成田に着いたのは昼2時過ぎ。実に7年という月日に忘れかけていた、もう二度と利用するもんかと辟易したはずの遠さは変わっていなかった。初めての第2ターミナル、宅配会社カウンターで3日前に送ったトランクを受け取り、Mちゃんにメールする。
‘着いたよ。3階のF付近にいます’
旅はこれからなのに、ひと仕事終えたような気分。たった2週間留守にするにも片付けておかなきゃいけないあれこれに追われながら、インターネット中心に情報収集して準備してきた。日本からの往復と南米内2区間の航空券、マチュピチュへの列車チケット、リマ、ナスカ、クスコのホテル。社会人になってからの個人旅で、こんなにちゃんと日程を計画し、予約・手配をした旅ははじめてかもってくらい。航空券と「地球の歩き方」だけ携えて、え〜い行っちまえ的飛び込み旅・なんとかなるさの開き直り旅をしたエジプトやギリシャでは、結局は何とかなったものの、これだけは手配してきた方がよかったな・・・と思う場面もあったわけで、さすがにその反省と学習がみられる。そして、今回は1人旅ではなく相棒がいる責任と、行き帰りだけで4日もかかるだけに時間を無駄にできない、という軽いプレッシャーみたいなのもあったかもしれない。
航空券や列車チケットは2人で分担して国内外数社にネットで手配をお願いし、ホテルはHPで目星をつけたところに直接メール。貧弱なガイドブックはあてにせず、行った人の旅行記をいくつか斜め読み。
にしてもGW以降のめちゃめちゃな天気と寝不足に、GWに遊びすぎた疲れも取れないまま、今回もまた出発前からかなりの疲労蓄積模様。そこにきて京急の2時間移動がこたえる。
やれやれ、と椅子に座って3分もしないうちに音もなく(!)Mちゃんが現れる。
「うわ、びっくりした!」(笑)

同じく、早くも相当疲れてると言う彼女と2人、周囲の人たちにはとてもそうは見えないだろうテンションで
「も〜〜、リマまで20時間よ!
20時間!!
とギャアギャアわめきながら空港内を行く。すでにチケットを手にしている我々は、そのまますぐコンチネンタル航空のチェックインに並ぶ。フリーバードでは全世界のエアライン・タイムテーブルを見ることができ、行き先を入力すれば検索・オンライン予約ができる。国内線と同じ感覚で空席状況もわかる。店頭に出向くのはおろか電話すら1度もしなかった。パスポートコピーや申込書を記入して送り返すことも、銀行に行く必要もない。帰国日の変更もメールで済ませ、支払いはクレジットカード。松山からの国内線を同時に購入した私の元には出発1週間前にこれまで通りの紙チケットが送られてきたが、Mちゃんのは最近米国中心に普及しつつある‘Eチケット’というもので、メールで送られてきた日程表を自分でプリントして持ってくだけ。

> これまでの紙製航空券をなくし、ご出発当日に「Eチケット日程表/レシート」
 とパスポートだけでチェックインできるサービスです。
> 紛失・盗難の心配もなく安心の海外旅行をお楽しみください。
> ご予約・航空券情報はすべて航空会社の予約システム内に保管されております。
> 入国審査(条件)・X線検査場等で航空券提示が求められた場合は
 「Eチケット日程表/レシート」をご提示ください。
> 関係各国政府により航空券と同様の証明書類として取り扱われます。
> 「Eチケット日程表/レシート」は航空券ではありませんので
 無料で搭乗航空会社カウンター等で再発行が可能です。
こんな説明されてもほんとにこれだけで大丈夫なの?と思うが、何の問題もありませんでした。素晴らしいシステムでございます。
免税店で‘ドゥラメール’の美容クリーム29800円(!)を探す。2万以下なら買ってこいと、ほんの2日前に友から指令を受けたが、25800円で見送り。ゲートに向かうモノレールは7割以上がアメリカ人で、関空なんかよりはるかに外国人率・ビジネスマン率が高い。東京駅から成田EXPで来たMちゃんも
「明らかに私より成田のことをよく知ってると思われる外国人だらけだった」。
はるか南米まで、こんな時期に2週間も休みが取れてなおかつ費用はまったく想像つかない。旅好きでもそんな条件をクリアする同行者はなかなかいないもの。当然1人旅だと最初から誰も誘わずちびちび日程を考えていた4月のある日、ふと魔がさして(?)打ったメールに敏感反応したのが彼女だった。翌日には会社に休みの申請をし、めでたく許可をもらって週明けには航空券を予約していたという、私も驚く展開の早さ。誘っておいてなんだけど、まさかホントに乗り気になるとはね。ペルーに何があるのかという以前に、ペルーの場所さえ知らない人も多いというのに。

費用に関して少し書いておきましょう。
Mちゃんに聞かれてから、経験もふまえ想像のつかない物価を強引に捻出して計算してみたところ
安く上がればざっと25万弱、高くつけば32、3万
という予想額。
そのあやふやすぎる内訳。
  成田 ⇔ リマの航空券   11〜13万円 
  ペルー国内線航空券      1〜2万円 
  その他の交通費、観光     4〜8万円?? 
  宿泊費       3万円  
  食費 その他     3〜5万円??
  成田までの国内移動    3〜4万円
  計 25〜35万円???

この値段の幅は何ぞや?
とお思いの方、例えばナスカ地上絵。リマから日帰り飛行機ツアーに参加すれば$350(4万円)もする!!けれど、自力で往復バス(片道7時間・・・)で行ってナスカに1泊してセスナ観光にすれば、全部入れても1万円ほどで済むのです。マチュピチュだって、クスコから1万円の観光展望列車もあれば5千円の‘バックパッカー・クラス’もある。と、何を重視してどういう旅にするかでまるで違ってくるわけです。まぁ少なくとも言えるのは、‘ペルー8日間40万’とか、13日間周遊となると50〜60万円のツアーも当たり前のように存在する南米パックよりは、間違いなく安くあがる(いえいえ、安くあげてみせます)ってこと。結果的にかかった費用と詳細は、後のページで振り返るとしましょう。そうそう、日程を考える上で参考に見ていたパックツアー、中国旅の時に利用した某F社のパンフに“1人部屋追加代金10万5000円”!!なんてのがあり、Mちゃんは
「それ(1人参加の追加費)だけでもう1回旅行できるやん?!」
1回どころか、ソウルなら3回くらい行けそうね。

それから、どうして今ペルーなのかと言うと、中国の万里の長城から始まった(?)おかぽん流『新・世界七不思議を巡る旅』の続き。万里の長城、アンコールワット、スフィンクス、ストーンヘンジ(英)の4つを訪問済み、残る3つがマチュピチュ、ナスカ地上絵、そしてイースター島のモアイ(ストーンヘンジの代わり?にイスタンブールのアヤソフィア寺院という意見もあるようですが)とくればペルーで一気に2つ見ちゃおう、となるのである。実は、イースター島を後回しにしたのには他に重要な理由と思いがあったりするのだけれど、これこそ書けば長くなるのでこの場ではまだ開封しないことにしておきます。あ、ひとつ。また旅をしたいなぁ〜と悪い虫が騒ぎ始めたまさにその時、TBS『世界・ふしぎ発見!』で地上絵の取材を見たのは追い風になりました。どなたか録画してませんか?!

さて。離陸30分前に搭乗が始まり、機内の外国人比率は70%以上と日本線とは思えない高さ。ほぼ満席で座席は通路側からしか確保できず、窓側にはトルコ人みたいな中近東系浅黒くマユ太顔の兄ちゃん。前の席にはシートから体がはみ出し、私の足より太い腕をタプつかせた巨漢のおっさんが苦しそうな体勢で座っている。
「前のおっさんの隣じゃなくてよかったと、心から思うわ〜」。
そう思って見渡すと、外国人比率だけでなく肥満の比率もすんごく高いことがわかる。
16時前、コンチネンタル航空6便はまず米国に向けて飛び立つ。ヒューストンまで12時間、見たくなくても視界に入ってくる前のおっさんの段々腹が緑のポロシャツにくっきり。きっと本人の苦しさより見苦しさの方が上。でも、この飛行機にはそんな毒物から目をそらせてくれる
素晴らしいものがついているではありませんか! 全席搭載のパーソナル・エンターテイメントシステム。パーソナルTVで映画は随時5、6本、ゲームも付属のリモコンで10種類以上が楽しめちゃうんでございますのよ! 映画は洋画の他、邦画は仲間由紀恵の『G@ME』をやってて、ヘッドホンからは日本語が流れてくるが字幕は英語。英語の勉強になるような台詞はあまりないし、今は英語よりスペイン語を覚えなきゃいけないわけで、しかも映画の内容は面白くないのに、つい英語字幕を真剣に目で追ってしまう。

機内誌のプログラム表や説明を読みながらTVとリモコンをいじっている間にジュースやおつまみが配られ、映画に入りかけた頃に食事がくる。ここから怒涛のコンチネンタル航空・機内食図鑑となります。以後も、メイン2種類から選ぶ際にはそれぞれ違うものを頼んで食べ比べてみました。私は魚に軍配、Mちゃんは肉に軍配で早くも評価は異なる。

◆ INFLIGHT MEALS 1回目 ◆

白身魚 (直訳すると)黒豆ソース(?) ★★
野菜ソテー ★★
エビと生野菜のサラダ ★
ごはんはいつものごとくパサパサで××
パン
洋ナシのカラメルケーキ ★★
こちらはサーロインステーキ
チャーシューソース  ★★

大丈夫なん?ってくらいレアで臭みもあり
しかし驚くほど肉厚(4cmくらい)でジューシー


食べながら最後まで映画を見たら、今度は2人してゲームに熱中する。神経衰弱、インベーダーゲーム、チェス、ソリティアみたいなトランプゲーム、迷路などやりつくせないほどあるが、中でもハマったのが“ハング・マン”(吊られる男)という世にも恐ろしいゲーム。空欄に最初は勘だけでアルファベットを入れ(最初に出るのが文字数だけでノーヒントなところが強引すぎる)、英単語を完成させていく。とゲーム自体は恐ろしくはなく、単純だけど不親切、なんだか人をバカにしてるようにも思える内容だが、間違ったアルファベットを6文字?以上押すと、ピストルを突きつけられている男がクレーンみたいなので吊られて画面から消えるのだ。画面の構図もさることながら‘男を吊る’という発想が悪趣味すぎる。それでも、男を助けるために少ないボキャブラリーと眠い頭をフル回転させて必死になってしまう我々も、いい大人のくせにおバカ。英語の辞書を預け荷物に入れてしまったのを悔やんだりして。神経衰弱も、カードが多すぎる上に動物の絵はなんだかよくわからないのだらけ(可愛くないし、何種類かの鳥は区別つかない)と、機内でやるには難易度高すぎる(『新婚さんいらっしゃい』の最後にやってるやつの20倍くらい難しい)。自分のあまりの記憶の悪さにイライラしながら、どこかで脳細胞の老化を認めながら(?)惰性でゲームを続けてしまう。
で、TVゲームに飽きたら、今度は友人に拝借してきたゲームボーイ。それもドンキーコング・・・。機内で1000点を越える最高得点を出してしまうほどに再び熱中する。Mちゃんは周りの目も気にせず奇声あげるし。そんな元気あったらちいとペルーの予習しろ、スペイン語1つ2つくらい覚えろと言われそうですね(汗)。ハイハイ、Mちゃんは読んでましたよ、市立図書館から借りてきた(借りものばっか)イラストつき『指さしスペイン語会話』。

成田では疲れきってたはずなのに、ゲームのせいで目が冴えあっという間に6時間経過。機内は電気が消され、騒ぐ大人や泣く子もおらず静かだが、寝てる人はそんなに多くない。夕食から6時間後くらい、フライト半ばで間食にしては重すぎるカップ麺、おにぎり、サンドイッチにチョコレートがもれなく配られる。そんなにお腹空いていないのに食べてしまってちょっと後悔、太りそう・・・「ブタメン」だし(苦笑)。それよか、こんなの機内で食ったらますますノド渇く!

◆ INFLIGHT MEALS 2回目 ◆

100均で3個100円とかで売ってそう
(後日コンビニで発見)
裏の“当たりが出たらもう1個”に近くの日本人
「ここで当たりが出たらどこに持ってけばいいんだろ?」

チキンラーメンと同じ味 ★

日付変更線をこえ、時計を14時間戻して今朝に逆戻り。ヒューストンで具合悪くなっても弱るのでおとなしくひと眠り、と思ったらブタメンから1時間半後に3度目の食事。やっと眠くなったところで起こされる。ええと、日本は何時だっけ? ヒューストンとリマの時差は? 徹夜明けみたいな、すでにちょっくらハイ状態の頭でガイドブックを確認し、はじめてヒューストンとリマに時差がないことを知って意外に思う。

◆ INFLIGHT MEALS 3回目 ◆

チーズラビオリ トマトソース ★★
レモンのマフィン ★★★★
(これがとっても美味しかった)
ミックスベジタブル、パン、フルーツ
オムレツ+ハッシュドビーフ ★

断然ラビオリの方が美味し


米国に近づくにつれて炭水化物率が高くなるのは気のせいでしょうか?

食後アメリカの入国カードと税関申告書が配られる。アメリカは、国際線の乗り継ぎだけでも入国しなければならず、荷物もいったん受け取って預け直さなければならない。これがけっこう時間かかるし面倒くさい。入国審査はどこの空港でもいつも混んでいるので、乗り継ぎ時間が短いと焦る。次のリマへのフライトまで3時間弱あるからいいけれど、今回航空会社を選ぶにあたって、アメリカでの乗り継ぎは非常に重要なポイントとなった。また話はそれるがこれについては詳しく述べておきましょう。
まず、日本からペルーへは直行便がないので、第3国での乗り換えが必要。よほど特別な理由がない限り米系で行くのが普通で、どうしても米系が嫌な人は大韓+ランチリ航空(ロス乗換え、同じ時期で12万円くらいと値段的には米系と変わらず)という行き方もありますが、チェックインや荷物のことを考えると、そこまでひねくれるのは普通じゃありません。あとエアカナダ(カナダ乗換え)、非常にマイナーな航空券ではKLMオランダ航空(ヨーロッパ乗換え!リマまで19万円くらいでした。何時間かかるのか?!)なんてのもありました。
米系で毎日リマへ飛んでいるのはアメリカン航空、デルタ航空、コンチネンタル航空の3社なので、必然的に成田発。関空からノースウエスト航空で行けなくもないみたいですが、ニューヨークかどこかで往復とも1泊しなきゃならないとかで、接続が良くないようです。というわけで、3社を検討してみた結果レポート。

いい点 い点
アメリカン
 ・行きはリマ着、帰りは
  ラパス発のオープンジョー

  (行き帰りの発着空港が違う)可能
 ・前売り35日だといちばん安い(10.3万円)
 ・松山⇔羽田往復は追加2.5万で可

 ・アメリカで
2回乗り換え(ロス、マイアミ)
 ・
午前4時前にリマに着く
 ・帰りは
ロスで1泊必要
 ・帰国日リマを早朝(朝7時)に出るゆえ
  帰るためだけにリマに1泊する感じ
 ・帰国だけで4日がかり!
 ・現地滞在時間が最も短い

デルタ
 ・リマ到着がいちばん早い
  (同日夜10時すぎ)
 ・行き帰りともアトランタにて同日乗り継ぎ可能
 ・帰国日は午前0時にリマを発つので
  無駄がない
 ・現地滞在時間が最も長い


 ・行きの乗り継ぎ時間が1時間しかない
 ・11.7万で最も高い
 ・伊丹⇔羽田往復は追加1万でできるが
  松山発着は設定がない
 
・ラパスへのフライトはない

コンチ
ネンタル

 ・スケジュールはデルタ航空と似ているが
  さらにいいのは乗り継ぎに余裕があること
 ・11.4万円で
  松山発着も追加2.7万で可


 ・ラパスへのフライトはない

結局のところ、アメリカン航空は安いだけあって時間のロスが多く(カイロに午前3時前に着いて懲りたトラウマもみられます・・・苦笑)、デルタとコンチネンタルはほぼ同じスケジュールながら、より問題点の少なかったコンチネンタルを選択。まぁ正解だったかな。でもわざと2人別に、どちらかデルタにして「リマの空港で待ち合わせても面白かったんじゃない?」なんて。
米国入国書類に記入したら猛烈な眠気に襲われ、着地の振動で目覚める。気がつけば逆噴射の音が轟いていた。窓側のおとなしい兄ちゃんはこの12時間の間、1度もトイレに席を立つことがなかった。スリッパを持ってくるのを忘れたMちゃんは、降りる際、ビジネスクラスのシートのポケットに入っている新しいスリッパを目ざとく見つけてちゃっかり頂戴しちゃったりする。でもこれが旅行中大活躍。

13時半、昼下がりのヒューストンは30℃、小雨。北米まではあっという間だったけれども、先はまだまだ。続いて赤道越えなきゃいけないんだよね。

                                      
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